ビーズ刺繍に興味を持って調べていると、度々目にする「オートクチュール刺繍」。レッスンでも「オートクチュール刺繍とアリワーク刺繍は何が違うのですか?」と質問されることが度々あります。そこで改めてその質問にお答えしたいと思います。
オートクチュールとは
そもそもオートクチュールとは何を指すかご存知でしょうか。オートクチュールはフランス語の「haute couture」が語源。haute(オート)=高級 couture(クチュール)=仕立服を指し、直訳すると「高級な仕立服」。正確にはパリのクチュール協会(通称サンディカ)加盟店のオートクチュールメゾンで作られたオーダーメイドの高級服を指します。CHANNELやDiorなどハイブランドのドレスなどをイメージされるとわかりやすいでしょう。
このような豪華で繊細なドレスを作り上げる際に使用される技術を総称して「オートクチュール刺繡」と言います。日本ではリュネビルが代表的に紹介されていることが多いですが、使われる技法や素材は多岐にわたり、特定の技法のことではありません。
ドレスを見たら確かにそうですよね!?美しいデザインを表現するためには、たくさんの技術と知恵やアイデアが必要で、今日もパリのメゾンでは新たな技法が生まれているかもしれません。
アリワーク刺繍とは
アリワークはオートクチュール刺繍でも用いられる技法の一つで、専用の細いかぎ針を使用して刺繍します。最近では、アリワーク同様かぎ針を使用して刺繍するリュネビルも、よく耳にするようになりましだが、その技法は少し異なります。アリワークとリュネビルの違いについては、ブログアリワークとリュネビル刺繍の違いを参照下さい。
さて、アリワークに話を戻します。アリワークは専用のかぎ針を使用します。私が知るところでは、専用のアリワーク針はインド製のものがほとんどです。最近では通販などで日本でも比較的簡単に手に入れられるようになりましたが、販売サイトをご覧いただいて分かるように正確な針のサイズ表記はありません(笑)。
私の10本以上ある手持ちの針も全く同じものはないほど、針1本1本に特徴があるのがアリワーク針の独特なところ。
号数表記された精密な日本製の針に慣れている私たちには???な世界です。でも、針の特徴に合わせて刺繍していくとなんだか愛着が湧いてきて、大切な相棒となっていくのもアリワーク刺繍ならでは。(私のアリワーク愛についてはブログアリワーク刺繍のチェーンステッチでも語っています。)
最初に専用の道具類を揃えるハードルと、針に慣れてスムーズに刺繍できるようになるまで苦労するハードルと、越えなくてはいけないハードルがありますが、越えた先には他にはない楽しさが待っています。少しでも興味を持たれたらアリワーク体験してみませんか?
恵比寿・鎌倉教室ともにアリワークの体験レッスンも随時受付ておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。
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