ビーズ刺繍の技法の一つ「アリワーク」。かぎ針を使って刺繍する技法で、その繊細なテクニックや、趣のある道具類は、手しごと好きさんにはたまらない魅力があり、レッスンでも問い合わせの多い技法です。その一方で、残念ながら未だ日本では手に入りにくい資材でもあることから、始めるのにハードルが高いことも・・・。
そこで、今回はアリワーク刺繍を始めてみたいという初心者さんにオススメの資材をご紹介したいと思います。
アリワーク刺繍とは、ビーズ刺繍との違いは?
資材をご紹介する前に、先ずはアリワークについてご紹介したいと思います。冒頭で「ビーズ刺繍の技法の一つ」とご紹介しましたが、そもそも「ビーズ刺繍って何を指すの?」と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「ビーズ刺繍」とは言葉の通り「ビーズを刺繍する」ことを指し、「穴が開いていて生地などに縫い留められる素材」を刺繍することを意味します。また、素材を表す際に使用するビーズ(英)、ビジュー(仏)、スパンコール(日)、スパングル(英)、パイエット(仏)など、様々な表現で混乱することもあるかもしれませんが、それら全部を刺繍することを「ビーズ刺繍」と言います。(素材の呼び方とその違いについては、別途改めてご紹介したいと思います。)
ビーズ刺繍する際には、誰もが「針」と聞いてイメージする「刺繍針」を使用する技法と、アリワークやリュネビルなど「かぎ針」を使用して刺繍する技法と、大きく分けて2種類の技法があります。(アリワークとリュネビルの違いについてはこちらで詳しくご紹介していますので参考にしてください。)
さて「アリワーク刺繍とはビーズ刺繍の技法の1つ」とご紹介した意味がご理解いただけたでしょうか。
次からは具体的にアリワークで使用する資材についてご紹介していきます。
アリワーク刺繍する際の針について
アリワークはかぎ針を使用する技法ですので、先ず欠かせないのは「かぎ針」です。利き手で針を持ちビーズなどの素材を通し、もう一方の手で針の先端の「かぎ」に糸をかけ、人間ミシンになりきって両手で刺繍していきます。うまく表現しきれない語彙力のなさ・・・スミマセン!言い訳のようで恐縮すが、言葉で表したり、画像や動画で見るイメージと実際とが異なるのが、アリワーク刺繍の楽しいところです。ぜひ体験しにいらしてください(笑)
アリワークはインド発祥の刺繍技法で、私が知るところではアリワーク刺繍針はそのほとんどがインド製です。上の写真の針も全てインド製。写真をご覧いただいてもわかるように、1本として同じ針はありません。最近では通販などで日本でも比較的簡単に手に入れられるようになりましたが、販売サイトでも通常の針では当たり前の号数表記はありません。ここからわかるように、針1本1本に特徴があるのがアリワーク針の独特なところ、使用する側の力量が求められるのです。
・・・と、ここまでハードルが高いイメージをつけてしまいましたがご安心ください!アリワークはあくまで「かぎ針」で刺繍する技法であり、アリワーク専用針を使用しなくても「かぎ針」であれば同じ技法で刺繍が可能です。
次からはタイプ別にオススメの針をご紹介させていただきます。
■アリワーク刺繍針
特徴:アリワーク用に作られた針で一度に複数のビーズを通して刺繍するのに最適。針によって少しずつ「クセ」があり扱いに慣れるまで時間を要することもある。最初は丸小が入る程度の細さで針も短めがオススメ。
オススメタイプ:職人っぽい手しごとが好きな人
■クロッシェ(リュネビル刺繍用針)
特徴:リュネビル刺繍用の針で、アリワーク刺繍針に比べ針の長さが短く、針を付け替えられるネジがあることが特徴。糸をかけやすい形状のカギでステッチしやすく針のサイズも均一。最初は万能な80番がオススメ。
オススメタイプ:美しいものが好きな人
■レース刺繍針
特徴:針の形状が柄に向かうほど太くなり、柄は好みにより選択可能。安心の日本製が手に入る。最初は極細の中でも太めのNo.15がオススメ。
オススメタイプ:品質にこだわる人
アリワーク刺繍をする際の刺繍枠について
針選びが完了したら、続いてはアリワーク刺繍をする際に欠かせないもう一つの道具「刺繍枠」です。アリワークは両手で刺繍しますので、両手がフリーになる刺繍枠も必須です。最近では刺繍枠のバリエーションも増え、用途に応じて選択できるようになって参りました。いくつかタイプ別に特徴をまとめましたので、参考になさって下さい。
■縫い留めタイプ
特徴:刺繍枠に生地を縫い留めて固定します。刺繍のサイズ、生地の種類に関わらず刺繍することができる反面、しっかり生地を張ることにコツや時間を要する。
オススメタイプ:大きな作品を作りたい人
■ゴム張りタイプ
特徴:網戸の要領で溝に生地をゴムで張ることができ、ゴムの太さを変えることで様々な生地に対応できる。簡単に生地の張替えができる反面、溝に入る部分の生地は傷むこともある。
オススメタイプ:同時進行で複数の作品を作りたい人
■スタンド丸枠タイプ
特徴:刺繍枠と聞いたら真っ先に思い浮かぶ丸い刺繍枠のスタンドタイプ。誰でも手軽に生地を張ることができる八面、大きな作品をつくることはできない。
オススメタイプ:小さなアクセサリーをメインに作りたい人、とりあえず初めて見たい人
■足のみタイプ
特徴:様々なサイズの刺繍枠を固定できるスタンド枠。お手持ちの刺繍枠をセットして使用することできる。汎用性が高い反面、固定タイプに比べぐらつきやすい。
オススメタイプ:さまざまな刺繍を楽しみたい人
まとめ
今回はアリワーク刺繍を始める際に最低限必要な「針」と「刺繍枠」について、ご紹介させていただきました。ご紹介している参考サイトは私も実際に利用したことがあるところから選びましたが、ネットで検索されるとたくさんのショップがあり商品の特徴も少しずつ異なります。ご自身が作りたい作品により、選ぶべき資材も異なりますので、どんな作品を作りたいかまずは考えてみてください。
また、百聞は一見に如かず、ご購入前にぜひ実際に体験されることをオススメします。恵比寿・鎌倉教室ではアリーワーク刺繍体験も可能ですので、お気軽にお問合せ下さい。
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