「ビーズ刺繍は気になるけれど、何から始めたらいいのかわからない・・・」そんなビーズ刺繍初心者さんに、私自身が愛用しているオススメグッズをご紹介させていただく後編です。最初に揃えたい基本の道具を紹介させていただいている前編もぜひご覧ください。
後編では作品をより美しく仕上げるためのポイントをお伝えしたいと思います。
1.さぁ道具はそろった!さて何に刺繍しますか?
道具類が一通りそろっていよいよ作品の制作にとりかかろうとして、ハテ、何に刺繍したらいいの?SNSを見たら様々な作品が様々な素材に刺繍されているのを発見し、結局何に刺繍したらいいのか疑問を持たれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
何を作りたいのか(ブローチやピアスなどのアクセサリーなのか、タペストリーや洋服、etcなのか)によって異なりますが、今回は初心者さんが始めやすい小さなアクセサリーを作る場合についてお伝えしたいと思います。
小さなアクセサリーにはズバリ!なんにでも万能な「フエルト」をオススメします。
フエルトがオススメの理由は、その「刺しやすさ」と「成形のしやすさ」です。私は成形の応用範囲や手に入りやすさからソフトフエルト(一般的に売られているフエルト)を使用することが多いですが、より美しい仕上がりに拘る方には、毛羽立ちしにくく撚れにくいハードフエルトがオススメです。厚みは問いませんが、1mm以下の薄い生地は撚れやすく、玉止めが抜けることもありますので注意が必要です。逆に厚いフエルトはハサミを細かく入れることが難しいため、デザインによって使い分けましょう。
生地の色は作品の色に合わせて選びますが、応用範囲の広い白と黒を揃えておくと様々な作品に対応できます。
2.図案の写し方
実際に刺繍するほとんどの場合、予め生地に図案を写してから始めます。もちろん絵を描くように自由に刺すこともできなくはないですが、素材の組み合わせで変化をつけていくビーズ刺繍は、絵を描くというよりも、塗り絵をする感覚に近いのではと個人的には考えます。絵を描くように~の場合も、生地に下絵を書いてから刺繍すると良いでしょう。
次からは図案の写し方と、その際に使用する道具類をご紹介していきます。
2-1.図案の映し方①「生地に直接書く」
前述の絵を描くように~以外でも、丸や四角など生地に直接図案を書くこともあります。その場合は、万が一書き損じても簡単に書き直しできる水で消えるチャコペンを使用することが多いです。消えるチャコペンは簡単に落ちるものがほとんどですが、色によって消えやすさが異なりますので、作品によって使い分けましょう。
2-2.図案の映し方②「裏写りする生地に図案を写す」
予め準備した図案を生地に写すことは、最も多いのではないでしょうか。先ずは図案に生地を重ねてガラス越しに見てみましょう。図案が薄い場合は黒ペンでなぞっておくと見えやすいです。図案が透けて見えるようであれば、図案と生地が動かないようにマチ針で留めつけて上からなぞります。転写用のライトテーブルがあれば一番よいですが、かさばるので私はもっぱら窓にあてて写しています。どこでも手軽に使える技なのでオススメです(笑)。フエルトでも薄い色ならこの方法で転写できます。ここでも使用するペンは作品によって選びましょう。
2-3.図案の映し方③「裏写りしない生地に図案を写す」
②の方法では写せない場合の図案の写し方はいくつかあります。最も一般的なのが複写ペーパー(チャコペーパー)を使用する方法です。テーブルの上に生地→転写ペーパー(インクが付いている方を下)→図案→透明セロファンの順に置いて、それぞれが動かないよう待ち針などで留めておきます。あとはトレーサーやボールペンなどで図案の上をなぞります。生地によっては映りにくいものもありますので、端でしっかり映るかチェックして力を加減しましょう。フエルトなど厚手の生地は映りにくいため、しっかり力を入れて書きます。また、図案がきちんと写っていることを確認してからマチ針を放しましょう。
最も簡単なのがシールタイプのお湯や水でとけるシールペーパーを使うやり方もオススメです。シール面の裏に図案を写し、それを刺繍したい生地に貼り、その上を刺繍します。刺繍が終わったらお湯や水に浸して、シールが溶けるのを待ちます。使い方はとても簡単で便利ですが、物によっては針がベタつくことがあるので、注意が必要です。私はベタつきがあまりなく、フエルトでもしっかり貼れるので、写真のSticky Fabri-Solvyを愛用しています。但しこちらは透明ではないので図案を写す際にコピー機を使用しています。様々なメーカーから販売されいますので、試してみてください。
最後にご紹介するのがピーシングペーパーを使うやり方です。図案を書いたピーシングペーパーに写し、アイロンで生地に接着し、その上を刺繍します。刺繍が終わったら紙を破いて仕上げる方法です。また、ピーシングペーパーの代わりに、ベ-キンググシートを使用することも可能です。その場合は、ベーキングシートが動かないように生地にまつり縫いして使います。但し、どちらも紙を綺麗に取り除くのが意外と大変なので、アウトラインのみ刺繍して図案がとれたら先に取り除くと良いでしょう。また、紙を丁寧に取り除くためにピンセットがあると便利です。
3.100均で揃う便利グッズ
①リッパー
刺しなおすことは考えたくない方もいらっしゃるかもしれませんが・・・はさみでは切りにくい細かい縫い目の糸を切るのに便利です。 長い方の先を糸の下に差し込み、押すようにして使います。
②目打ち
糸をほどく時や、立体的な刺繍で使用するワイヤーを生地に通す際に、生地に穴を開けるときに使います。
③ピンセット
前述のように紙を取り除いたり、細かい詰め物をしたりするときに使います。
④ハサミ
糸切ハサミ、紙を切るハサミは100均でも十分です。仕上げに使用するハサミは前編をご参考下さい。
⑤ビーズケース(ピルケース)
素材を分別して保管したい場合に役立ちます。
使う道具で仕上がりも変わる
今回は実際に刺繍する際にオススメを資材をご紹介させていただきました。ビーズやスパンコールを選ぶように、作品に合わせて周辺の道具類を使い分けると、作品の仕上がりも変わります。また、こういった資材も日々進化しています。「不便だな」「やりにくいな」と感じたときには、一度手を留めて探してみると、新たな資材が発見できるかもしれません。
その他、ビーズ刺繍に関する疑問・質問等ございましたら、お気軽にご連絡ください。
自分で選んで購入するのは面倒という方に、針や糸もセットになったスターターキットもご用意しています。
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